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2015年7月9日木曜日

「文系を守れ」




♪〜赤い夕陽が校舎を染めて 楡の木陰に沈む頃 あーあ あーあ あーあ高校三年生 僕等離れ離れになろうとも クラス仲間は いつまでも〜。

ご存知、舟木一夫の歌です。
未来に残したい曲アンケートでいつも一位になる曲です。
その高校三年生も選挙で投票出来るようになる。熱闘甲子園で血と汗と涙を流す球児も、渋谷のセンター街でたむろする若者も、学習塾に通い日夜勉学に励む若者も。

あなたは18歳の頃何をしてましたか、何を目指し、夢と希望を持っていましたか。
かつては将来何になりたいかというアンケートでは学校の先生になりたいというのが上位を占めた。
この度この国の文部科学省はスットコドッコイ、顔洗って出直して来い、という方針を出した。国立大学の文系、人文学系を廃止しちゃえというのだ。
国際競争力を高めるには理工系が大切なんだという訳だ。

そうでなくても若者たちは本も新聞も読まなくなった。
そのために情緒感とか情感がなくなった。

かつてバンカラ学生は「ああ我ダンテの奇才なく バイロンハイネの熱なきも 石を抱きて野にうたう 芭蕉のさびをよろこばず」と高吟した。

そもそも日本語をしっかり学ばなければ何も学ぶことは出来ない。
いい教師がいなければ、いい生徒は生まれない。
哲学のない国になってしまったこの国は、金の亡者となってしまった。
すっかり顔相が悪くなってしまった。これは亡国へと向かっているのだ。

孔子、孟子、荘子と人の哲理を問いて来た国も同様である。どーんとバブルが弾けた。
欧州の歴史の始まりの国ともいえるギリシャは借金まみれでパンクした(オリンピックを開催した国はパンクする)。世界中の経済がパンクロック化した。

その因は何かといえば、人物を育ててこなかった教育の荒廃であり、劣化といえる。
国立大から文系、人文系を廃止するなどという発想がどうして出て来たのか、高等教育を受けてない私には分からない。漢字が読解できない自分が日々情けない。
人間から文学をとってしまったらただの野性動物となるだろう。

18歳の若者たちが、この国を立て直してくれるための清き一票を投じてくれることを念じずにはいられない。若者よ一人でも多く教育の現場に向かいたまえだ。
金を残して尊敬された者はいない。何を残したかで価値は決まる。
当然最大の価値は人材を残した者だ。聖書の始まりは「初めに言があった。」である。

〈妻をめとらば才たけて みめ美わしく情ある 友を選ばば書を読みて 六分の侠気四分の熱(与謝野鉄幹)〉

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