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2019年7月18日木曜日

「学校の問題」

少年時代「悲しき街角」とか、「悲しき少年兵」「悲しき雨音」など、悲しきを題名にしたヒット曲がアメリカから入って来た。英語から日本語への直訳的題名であった。少年の恋の歌でもあった。少年も少女も初恋に胸をトキメカせ、初恋に眠れぬ夜を過ごし、初恋以外の物事にはまったく関心はなくなっていた。その日の朝から、次の日の朝まで、初恋の味カルピスであった。勉強の成績はガタガタと落ち、運動の部活をしていても、ドジばかりして先輩にドヤされる。私の場合、成績はもともとビリッケツなので勉強に支障はなかった。7月16日「『19年度版 政府白書』で10代自殺、学校起因が最多」というような衝撃的な新聞の見出しを見て、年頃の子を近所に持つ身に恐怖心がドキッ、ドキッ、ドキッと脈打った。学校に行っていれば、ひとまず安心ではなくなったのだ。政府から発表された数字は、きっと氷山の一角なのだろう。少年少女の自殺はひた隠す、家庭も学校も。18年に10代で自殺した599人のうち、特定できた原因・動機のなかでもっとも多かったのは「学校問題」だった。次に健康、家庭、男女と続く。学校問題の内訳は、学業不振、進路の悩み、学校との不和、入試の悩み、いじめ、教師との人間関係と続くが、ずい分と学校寄りの数字だと思ったのは、教師との人間関係が1人となっていることだ。この政府発表が当てにならないのが分かる。少年少女の悩みは教師への恋心や教師との関係、教師への不満、不信、学校の責任逃れへの怒りと絶望にある。少年少女の初恋の相手は森昌子の歌にあるように「それは先生」が多いのだ。こういう学校の味方みたいな調査を発表していては、少年少女は救われない。日本の教師たちは世界でいちばん働くという。教師たちの脱出先はどこにあるのだろうか。教師が苦悩しない環境をつくり出さねば、少年少女の命は守れない。雨、雨、雨ばかり、悲しき雨音ではない。少年少女の怒りの雨音だ。教師の無念の雨音と捉えて、早急に真正面から対処してほしい。学校が死を選ぶ場所にならないために。あなたは今、文部科学大臣の名前を知っていますか(?) うんざりする雨はまだ続く。(文中敬称略)
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