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2019年7月27日土曜日

「大先生と大先輩」

昨日金曜日、かねてより約束をしていたことを果たし、“ほっと”した。旅打ちばかりしていたので、少々体もへばっていたのだが、チリが生んだノーベル賞受賞の詩人「パブロ・ネルーダ」のアンデス越えの逃亡劇の映画「ネルーダ」を木曜日深夜に見て、少々へばったなどと言っていられないと思った。詩人は革命家であり、エロ大好きであり、享楽主義者でもあった。つまり極めてフツーの人間的要素をその怪異な顔と姿の中に持っていた。午後12時〜2時。伝説の大先生親子と、靖国通り近く曙橋の名店「魚亭かみや」で、約束していた、鮎づくしを食した。店の主人は和の名人「神谷宗佑」さんである。稚鮎(串刺し)小型の鮎(塩焼き)そしてシメに大型の(鮎飯)ものであった。先生はご指定の冷酒。息子さんと私はノンアルコールビールであった。コリャ〜ウメェと先生は胃癌+食道癌にメゲずにすべて食した。こうなりゃ来年まで生きていなきゃと言って、よろこんでくれた。その4時間後、午後6時南青山のうなぎの名店「大江戸」に行った。大尊敬の大先輩は、現在悪性リンパと肝硬変と闘っている。腹水がたまると食欲はゼロ、北里病院へ行って2泊して腹水を抜いた後は食欲がでる。何回も何回もうなぎが食いてえと言っていたのだが、何回も何回も体調が悪くなりキャンセルをしていた。ついに昨日、うなぎの夢が叶った。ストローハットに白いポロシャツ、スカイブルーの麻のジャケット、相変わらずオシャレであった。こんなにやせた姿を見せられるのは、森山良子さんと、オマエだけだからと手を震わせ両手でグラスを持って乾杯をした。二人ともノンアルコールビール。1年前にはある雑誌の取材で、ブタペストとウィーンを回り、オペラを観劇。いい紀行文を書いていた。人間の体と命の行き先は、あっという間に激変する。天はよく働く者のみに微笑む。大先生も大先輩も、日々命がけで働いてきたから、80歳を過ぎても食べたいものが食べられる。船の汽笛みたいボーッと生きるなかれ、楽を選ぶなかれ。苦海に挑めなのだ。だから死ぬ気で働く、明日は来ないぞと思い、その日すべきことは、その日にする。「俺たちに明日はない」、ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードの名作映画のように。


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