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2019年7月22日月曜日

「軽井沢にて」

7月20日土曜日、この日の午後には軽井沢に行かなければならない。京都アニメの地獄絵のような凄惨なニュースを前々日、前夜、そして早朝より見る。あまりにも酷い。34人が焼死しているというのに、テレビではバカバカしいバラエティを事件後もたれ流す。金曜日午後5時、新橋駅前(機関車があるところ)で「れいわ新選組」の演説会をしていた。運動員の数がものすごい。女性たちはみんなゆかた姿であった。山本太郎が現れると大拍手と大喚声、新興宗教の教祖が誕生したような異様な盛り上がりであった。あまりに混んでいて本人が見えなかったが、きっと本人だ。山本太郎の演説は、他の議員たちのワンパターンと違って、静かに語り、分かりやすく、説得力があった。自民党の小泉進次郎がいつのまにか、ただのオヤジギャグの口先き男に成り下がり、ここ一番のときは、いつも逃げてしまう男となったのとは大違いだ。したたかな山本太郎はいずれ、したたかな橋下徹と対決するのだろう。そんなことを思いながら私は茅ヶ崎→東京→そして軽井沢に向かった。2時30分より始まる軽井沢大賀ホールのソプラノコンサートに招待されていた。大賀ホールは05年、元ソニー会長の故大賀典雄が、私財を投じて生んだすばらしい音楽ホールだ。六角形の建築物は鹿島建設が施工した。大きな池と緑の芝生が囲んでいる。軽井沢在住の超富裕層がホールいっぱいに来ていた。ビンボー人の私には縁遠い世界だ。コンサートが終了後、パーティがホールの近くの会場である。私はそこで、私のお世話になっている会長の商品を、プレゼンテーションするために来た。1時頃、軽井沢駅に着き、南口のショッピングモールを歩いて回った。250店近いスーパーブランドや、有名ブランドが規則正しく、美しく並んでいた。丁度SALE中なので、どの店も満員のお客さん、セレブたちとともに、中国人、台湾人、韓国人のお客さんが半分ぐらいいた(銀座より静かな行動)。新幹線の中の車内放送も、中国語、韓国語があった。現在日本の主要都市のデパートやショップも同じで、中国語と韓国語表示があり、店内放送も店内案内も同様である。JRの主要幹線の駅の表示も同じだ。つまり、日本の経済と消費は中国、韓国、台湾、そしてアジア諸国との交流なくして成立しない。私の住む選挙区出身の外務大臣、河野太郎が、テレビのアタマ撮りをしているところで、交渉の相手国(韓国)の人間に対して、“無礼だ”などと口走った。スタンドプレイが過ぎる。交渉ごとは見えるところでは、とりあえず過激な言葉を発してはいかない。そのシーンはずっと残ってしまうからだ。外交のセンスがまったくない。河野太郎は主義主張がコロコロ変わる。外交成果はいまだになし。少なくとも、我が街茅ヶ崎のためになることは、何もしていない。私の知り合いの市会議員たちは、皆、河野太郎の子分だが。さて、大賀ホールのコンサートはすばらしかった。ピアノ大坪由里(武蔵野音楽大学首席卒業)、ソプラノ小川智子(武蔵野音楽大学)、ソプラノ友佳子クスト平盛(武蔵野音楽大学)、ソプラノ佐藤篤子(武蔵野音楽大学)、ソプラノ齋藤千夏ドゥラガヌリー(桐朋学園大学、パリ在住)、この美人たちが、ホールの屋根を突き抜けるのではないかと思うほどの声を響かせた。ピアノがまた超絶的であった。クラシックはまったく分からないが、観客がブラボー、ブラボーと大拍手していたから、ブラボーなのだ。拍手しすぎて両手がふくれてしまった。5人とはパーティで会話をした。気さくでステキだった。私と同じテーブルにドン小西さんがいた。新幹線の中の新聞記事に、経団連夏期セミナーが軽井沢で開催とあった。日本を代表する企業の志のない経営者たち、雇われマダムやサラリーマン経営者たちが、何人集まってもただのガヤガヤだ。大賀ホールを生んだような、アカデミックな経営者はいない。政権にモノ言う人物はいない。国家百年の計などまったくなく、自分たちの業界、自分の会社のことしか考えていない。心配なのは在任中の株価だけだ。他の経済団体も同じだ。軽井沢の北口はほとんどむかしのまま。遠くに浅間山、南口に客をとられて数軒の店だけだった。宿泊先のホテルに、日曜日朝6時半にモーニングコールを頼む。午前11時試合開始の高校野球神奈川大会の応援に行かねばならない。犯罪史上最大の悪魔、私たちの周りには悪魔が存在している。京都アニメーションの惨劇の犠牲者の方、そのご家族に対して、心よりご冥福をお祈りする。私の期待するリベラルなリーダーが、きっとこの国を救ってくれることを願って投票する。人間とは何ぞやを、ソプラノを聴きながら思いつづけた。(文中敬称略)



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