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2020年2月6日木曜日

第18話「私は目撃」

私は「目撃」である。仕事柄森羅万象の千変万化、人間の百態千態の観察、時代の動向変幻を細部にわたり観察分析は欠かせない。昨日夜七時頃渋谷宮益坂下交差点の側で、人の大行列を観察した。いつも無理をお願いしている、すばらしいアートディレクターの方と打ち合わせをしていた。その時大行列の話を聞いた。かつや明太子スパゲッティ(確か東京スパゲッティ)の店に変わっていたのだ。ああ知らなんだ、Why何故かつやがと思った。私目撃は行列を代理店の方と別れたあと観察した。その数約六十人。主に20代~30代男女。昼はほっこりしていたが、夜は寒いのなんの凄く寒い。ブルブル震えているヒト。ガタガタ震えているヒト。立っているヒト。しゃがみこんでいるヒト。肩寄せ合っているヒト。そこまでして食べたいのか明太子スパゲッティ。店内を目撃すると、ゆっくり、あったか気分で簡単に出てはなるかのヒトばかり。六十人目位が入店できるのは多分八時半頃だろうと思った。私目撃は並ぶのは大嫌い、荻窪のラーメン店春木屋か、銀座の共楽しか並ばない。夜帰宅をしてニュースを見る。ニュースナイン、報道ステーション、NEW23、WBS、などを目撃する。新型コロナウイルスはひょっとすると、東京オリンピックを中止させるかも知れないと思った。これからアフリカ大陸、南米大陸から続々と感染者が出てきたらアブナイ。アメリカという国にはしっかり民主主義があるのだと目撃した。民主党のアイオワ州の予備選で、同性愛をカミングアウトした38才の候補者が勝利した。議員経験はなしだ。次にトランプ大統領の一般教書演説が終わったあと、民主党の下院議長ペロシ議員(女性)は、演説原稿をまっ二つに破り捨てた。インタビューに対して、ウソで固めているからだと答えた。日本の野党にこんな根性はない。次にその日本の国会審議を目撃した。ああなんたる国会だ。目撃に耐えない、総理大臣が税務調査を受けているようなものではないか。一人天下でやりたい放題をやったので、これ以上異様な姿は見せてはいけない。そんな中、野党第一党の立憲民主党の国会対策委員長安住淳が、部屋の扉に新聞各社の記事をベタベタ貼って、寸討を書いた。花丸、百点満点、出入禁止とか。冗談のつもりだったと言っていたが失格だ。またもやホップ・ステップ・肉ばなれだ。この国から民主主義が消え去って行くのを目撃する。私目撃は目撃したくないものばかりを、目で追いながら豚のショーガ焼きを食べた。宮益坂のかつやはどこへ行ったのだろうか、ロースかつ丼、ごはん半分とん汁付が大好きだったのに。いよいよ私目撃が期待する人が、出番を向えて来た気がする。現在木曜日午前六時ニュースが始まる。この冬もっとも寒いと伝える。新型コロナウイルスに万全の体制をと伝えている。イスラエルのある社会学者の言葉が頭をよぎった。世界人類はやがて新型ウイルスで滅びるだろう。現代のペストを目撃したくない。これからひと仕事、その前に朝刊を取りに出た。今季最強寒波であった。バイクで朝刊を配っているヒトを目撃して思わず礼をした。私目撃にはとてもできない仕事だ。
                               (文中敬称略)

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