どうやって殴られたのですか、こうやってです。
そんな事でこんな怪我をしないだろ、え。コノヤローとか、コロスゾとか、シメるぞとかいいながらこうやって殴ったんじゃねえのか、オイ、しっかりべしゃれ(しゃべれ)。
いえ、違います。私がこうして、こうしたら、ガァーンとこうして来たんです。
そんじゃ何も訴える事はねえだろう、ただのケンカだろうが。このボンクラが。
ボンクラはないでしょお巡りさん。
俺たちはよぉー事件になんなきゃ成績になんねえんだよ。もっとしっかり殴られろこのボンクラが。
と、その後ガガガァーン、バババアンとお巡りさんを壁に押しつけパンチを入れる。
公妨、公妨(公務執行妨害)で逮捕だ。
何いってんだよ、ひとの事ボンクラボンクラいいやがって。
ある夜の交番での事。私が丁度そこを通りかかり見物した。交番の中で起きた小事件です。やがてパトカー二台、酔っ払った会社員風のおじさんはパトカーの乗客となったのです。
後日聞くところによると、その際パトカーを思い切り蹴ってヘコませたので器物損壊罪、お巡りさんは殴られ唇を切って全治三日で暴行罪、何て事はない、殴られて交番に訴え出たのに自分がパトカーへ。そして十日間は留置所暮らしです。
いや、ずーっとずーっと、もしかしたら一生出てこれないかもしれません。
冤罪はこうした後、生まれたりするのです。お前○△事件の手配書の男にソックリだな、血液型もAB型か、珍しいな。六月八日夜、目の前を通り去って行くパトカーを見ながらふと、数々の冤罪を思い出したのです。
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