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2013年6月19日水曜日

「第五小学校前」






たかだかタイヤメーカー(ミシュラン)が1つ星だ2つ星だ3つ星だなんてランク付けしやがったのを、ああ有難やなんて喜んでいる店にロクなところはない。

銀座にある有名な寿司屋があり、先年タイヤメーカーから3つ星をいただいた。
その寿司屋がG8サミットの前、ポーランドを訪れていた日本国内閣総理大臣の日本の食文化の紹介とやらに一役買った。

大間のマグロをはじめ寿司ネタは日本から空輸、普段使用している鍋釜まで空輸した。
当然主人と若い衆も空輸だ。税金の無駄使いで割り切ればいいのだが、私にはその寿司屋とは1つ星どころか黒星寿司屋の思いしかない。

ある有名なホテル内にも出店している。
ある年のある夜、私は大切なお客さんとそこへ行った。
予約なしで行った(一応メンバーなのでOKであった)。

夜七時頃店内には八割方お客がいた。
右手に少しカーブしたカウンター、左奥にテーブル席、そこに有名な政治家と某大手企業オーナー。私は二人でカウンターのやや真ん中へ。さほど広くはない。
板前が56人。着物の女性(店員さん)が3、4人。

私たち二人の前に年の頃は478の板前さんがついた。
細面、ビシっと頭に鉢巻、で何からいきましょうとなった。
コハダ、ヘイ、◯☓湾のコハダ。
白身、ヘイ◯△海の白身。
赤身、ヘイ、△□海の赤身。
穴子ツメつけて、ヘイ、□☓湾の穴子。
玉(ギョク)だけ、ヘイ、☓☓山の鳥が生んだ玉。

私と連れの人と交互に頼めばいちいち産地を言って出す。
握りがあまいのでシャリがユルユル、寿司はぱっと食べてパッと帰るのが基本(一杯飲む時以外は)。

で、シメにかっぱ巻き、ヘイ、◯□産のきゅうり。☓◯の海苔と来た。
そのかっぱ巻きは手巻きでというのを切ってくれといって六分割に。
その六分割がバラバラの高さで階段の様であった。
更に食べようとすると海苔がしっかり巻かれていないのでパコッと割れた。
で私はプッツンした。

オイ、さっきからイチイチウルサイんだよ、◯☓湾だ、☓☓山だ、△□海だと食べりゃ分かるんだよ、ウマイかマズイかは。この店ははかっぱ巻きもちゃんと巻けないのかよ。

店内はザワザワ度100%となっていた。
アジだって、サバだってイチイチ産地をいって連れの人に出していた、私の評価は低かった。だがしかし値段はバッチリ高かった。
名門だ、名店だ、3つ星だなんて笑わせやがる。

ポーランドくんだりまでノコノコと本物の寿司職人なら行く訳はありゃしない。
「あっしの握る寿司は江戸前でやんす、ポーランド前では出せません」ときっぱり断る筈だ。

3つ星で思い出した店があった。
小・中学校の頃ノートや鉛筆やなんかを買った文房具店の名が「三星文房具店」だった。東京都杉並区天沼の杉並第五小学校バス停留所前にあった。

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