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2011年8月29日月曜日

「狢そば知ってる」





ある年、酔っ払ったおじさんがワンワン吠える犬を噛んだというニュースを読んだ事がある。

確か地方のどこかだった。


犬が人を噛むという事は日常的な話だがおじさんは余程いい酒か、あるいわ悪い酒を飲んだかやおら四つ足と化しガブッとやったらしい。キャイーン、キャイーン意気地無しの犬は泣きを入れたらしい。


過日、岐阜県美濃市の公園で体長70㎝の「鹿(メス五歳)」が頭から血を流して倒れており間もなく死んだ。

警察は器物破損容疑で調べているという。何で「鹿」が“器物”になるのか分からない。「鹿」は動物と決まっているのに。


調べによると、水飲み用鍋(直径56㎝)の裏側に血痕が付着していたらしい。

何者かが夜間に柵を越えて侵入し、鍋で「鹿」を殴ったのだろう。可哀相に「鹿」は人間が近づくとシカトする事が出来なく身がすくんでしまい抵抗できなくなるらしい。何たる弱い者イジメではないかい。


まるでか弱き女性が騒ぐとこの鍋で頭をカチワルぞ、静かにしろいなんていって脅したら相手の女性がミッツマングローブみたいで抵抗されずに逆に脅されてしまった。焦った男は持っていた鍋でこれでもかとひたすら頭を殴った。

ミッツマングローブかと思った「メス鹿」は出血大量とショック死であった。


サルの小屋やウサギ小屋に花火などを投げ入れる事も多いという。全く情けない話だ。

きっと動物嫌いの中年男か受験に失敗した学生か就活にうまくいかない男あたりの仕業だろう。

こういう奴はとっ捕まえて一生四つんばいになって鹿達と生活させるとか、一生ウサギ小屋で飛び上がり続けるとか、一生サルの小屋で木の上で生活させる刑を直ぐに作らないといけない。



オットトット、この近所で奥さんから受ける暴力に耐えきれなくなって近所の神社のやや大きめの小鳥小屋に逃げ込んで出て来ない男や「タヌキ」や「キツネ」の小屋に逃げ込んだおじさんもいるという。

タヌキは冷やしタヌキになってしまい、キツネは冷やしキツネに姿を変えたと言うではないかいな。



先日赤坂TBSのところから乃木坂に向かっていった処に長寿庵があった。

スタジオに入るにはまだ時間がある。で、遅い昼食をとなった。そこに一枚の白い紙の短冊の品書きが扇風機の風でゆらゆら筆文字でおすすめ「狢そば」とあった。狢はムジナと読む。あの同じ穴のムジナのムジナだ。

好奇心の強い私はかなり太った店の男に「狢そばってどんなのだい」と聞いた。若いバイトの女の子二人がキョロと私を見た。


いや〜私もよく分かんないですがね、おじいちゃんがいうには狢そばはずっと歴史があって、なんでもキツネとタヌキの揚げ玉カスがサラの上で化かし合うみたいな感じでしょうか。



有能な私のデスクの女性は手持ちの何やらで直ぐ調べてくれました。あります、狢そばと教えてくれた。

何だか暴力妻から逃げおせた男の変わり果てた安らかなそばに見えた。


しかし私らが食べたのは「鴨せいろ」。

店員は外で鉄柵に腰かえ一服していた。今度狢そば食べに来るからなと言ったら、ヘイお待ちしてやすと言っていたのだ。

一度是非食べて見て下さい。同じ穴のムジナになりましょう。

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