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2013年8月26日月曜日

「ボクサーに栄光あれ」


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不良少年、悪ガキ、問題児、あの子とは遊ぶな、近づくなといわれ続けた少年たちもボクシングと出会い栄光をつかむと不良少年時代は「やんちゃな少年時代」と言い換えてくれる。

世界チャンピオンの殆どは元不良少年、手に負えない存在であった。
学校の番長であり、街の番長であり、県の総番長であったりした。さてボクシングと出会う事が無かったら、どんな人生を送っていただろうか。

ボクシングは合法的な殺し合いだ。それ故グローブをつけた人間は恐怖を知る事となる。ルールを守る事を知る。相手に対して敬意を表す事を知る。ダウンをしたボクサーは先ずどこを見るか、それは自分のコーナーだ。そこに居るやセコンドが味方だからだ。
勿論一発で気絶するか脳にダメージを受けたらコーナーすら見えずノックアウトだ。

一方、イジメっ子(不良少年)にイジメられ続けた少年もボクサーになってその仕返しをすることが出来る。チクショウ強くなりたい、強くなるんだ、チクショウという思いが強いボクサーを生む。喧嘩に強くなりたいという理由で入門する少年は多い。
だが厳しい練習と減量を体で憶え、グローブをつけ四角いリングに上がると喧嘩のバカバカしさが分かって来る、強くなれば成る程。貧乏もまた強いボクサーを育てる。

ハングリースポーツといわれるボクシング。
自分の為に一生懸命働いてくれている父のため、母のため、弟のため、妹のため、おじいちゃんおばあちゃんのために強くなるんだと日夜アルバイトしながらジムに通う。
拳ひとつで夢を叶えるためにボクシングはある。傷ついたボクサーの笑顔程美しいものはない。

ボクサーの寿命は短い。夏の花火の様に鮮やかに人々を興奮させそしてリングを去る。
だが歴史に残る男と男の殴り合いは忘れられる事はない。伝説の主人公となる。

私は仕事する時によく思う。
その仕事に生命を懸けているか、自分の仕事はボクサー程痛い思いをするかと。

八月二十五日夜、ロンドンオリンピックのミドル級金メダリスト村田諒太選手がデビュー戦を勝利で飾った。2R224秒レフリーストップのTKOだ。
相手は東洋チャンピオンだった。何故かチャンピオンは脅えていた。

メインイベントが何故10R8Rでなく6Rなのかはわからない。
ラスベガスの超大物プロモーターが来ていた。いつかボクシングの聖地ラスベガスのリング上で栄光の笑顔を見せてほしい。愛する妻と子と亡き恩師のために。
世界を代表する元不良少年を相手に。

ボクシングは人間を素晴らしくする。
敗者にもまた栄光あれと思う。次に戦えば立場は違うかもしれない筈だ。

ところであなたの仕事は痛いですか。一発で命を失うほど。

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