サントリーHPより |
「少年よ大志を抱け」クラーク博士はその教えを北海道の大地に残した。
昨日夏の甲子園への出場を決める北北海道大会決勝で大事件が起きた。
それは何か、クラーク記念国際高校という通信制の高校(スポーツコース・硬式野球部は全日制)が、野球部創部3年で、な、なんと強敵滝川西高校を3対0で破り見事甲子園初出場を果たした。
校長先生は登山家三浦雄一郎さんと知った。
通信制による生徒数は一万一千人超えるとか。
正に少年よ大志を抱けではないか。
小・中学校時代から野球が凄いといわれる少年を名門校がスカウトするのは今では常識だ。甲子園大会は本来地元出身の少年たち同士が戦う大会であったかが、学校の名を高めるために甲子園大会を利用することとなった。
高校野球界には少年たちをまるで売り買いするようなシステムが生まれた。
クラーク記念国際という学校名をはじめて知ったが、生徒たちを率いて勝ち抜いた監督も知りたいが、生徒たちのことも知りたい。また、練習法や指導法も知りたい。
名門校や強豪校、シード校の監督やコーチは顔色を失っているだろう。
逆に自分たちの学校はどうせ弱小高校だと思っている野球少年たちに、大きな夢と希望をもたせたことだろう。
クラーク記念国際の選手たちはゲームセットの瞬間飛び上がり、ピッチャーマウンドに駆け寄り、全員一番を表す指を一本天に向って突き上げ歓喜の雄叫びを上げた。
オレたちはイチバンダァー、ヤッタァー、カッタァー!甲子園だぞー!少年たちの活躍をこれからも追いたい。久々に胸躍るシーンであった。
一方名門中の名門、PL学園が予選一回戦で敗けたのを最後に休部となった。
上級生による下級生への暴力行為が原因だ。残念でならない。
甲子園でPL学園に勝つんだが、野球少年たちの目標であった。
数多くのプロ野球の名選手を生んだ。
母校の最後の試合を見届けるために先輩たちはスタンドから声援を送った。涙をさそうシーンだった。
日本国の運動部といえば軍隊と同じである。
フェアプレー精神論と肉体根性論は同体化する。
野球の先進国アメリカの指導者から見ると、甲子園は信じられない特攻隊的世界に見えるらしい。
何故わざわざ真夏の炎天下、それも真っ昼間に少年たちに野球をやらせるのか、一人の投手が一試合に100球、120球、150球、あの松坂大輔に至っては200球近く投げさせた。その答えは朝日新聞とNHKにあるのはいうまでもない。
夏休みには甲子園という熱闘が、自分たちの存在価値を高めるために必要であった。
プロ野球の一流選手になるのは選ばれし天才たちである。
じっくりと育てて行けば一流になったであろう幾多の少年たちは肩を壊し、ヒジを痛め、肉体も精神もボロボロになり野球を捨てた。
だが厳しい練習に耐え抜いたという体験は大人社会を生き抜く時に大きな支えとなるのも確かである。礼儀正しくなるのも確かである。
クラーク記念国際の快挙を見て私は複雑な気持ちなのだ。
やはり甲子園は最高だという気持ちと、野球少年たちをボロボロにするなよという気持ちが交差する。日曜日には神奈川県大会を見に行くことにしている。
クラーク博士もきっと今年の甲子園大会に熱狂するだろう。
深夜、少年野球を愛する後輩から頂いた、とっておきのウィスキー白州をいつものグラスに注ぎ、北の少年たちに拍手乾杯をした。
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