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2018年9月7日金曜日

「親切」

「人間はこうして死ぬ」読書など縁のない私が選んだ本の中で、これが一番と今でも思っている。小嵐九八郎の「癒しがたき」のキャッチフレーズだ。四国土佐の実力者の四兄弟の波乱に満ちた、父と子、男四人の兄弟間の死闘である。父は代議士、長男はヤクザ者になる。長い、長い小説のラストは、父を長男が殺す。今なぜこの本のことを書くかといえば「日本はこうして死ぬ」そんな強い思いを見たからだ。史上最強の猛烈な台風はそれを教え、北海道の大地震はそれを教える。地震帯の上にある日本列島、四方八方海に囲まれた細長い劇的な形をした列島、山々と海との間に生きる生活。美しい河川は、ひとたび大自然が荒れると悪魔のような激流となる。世界に誇る文明も一瞬にして、暗闇となり、世界一食べ物を捨てる国は、一本の水を求め、一個のパンやおにぎりを求める。分単位で空を飛ぶ飛行場は湖となり、分単位で動く交通網は機能停止となる。今の時代にローソクの火を頼りに夜を過ごし、電気の切れたスマホや携帯を握りしめる。パソコンは間の抜けたものになり果てる。 「日本沈没」を書いた作家小松左京は、阪神淡路大震災の現場を直視し、自らの日本沈没を感じ、「鬱」状態になり気力を失ったという。デジャブ、デジャブ、ジャブ、ジャブとデジャブ (同じ出来事) を毎年見せる。歯医者全国で6万、コンビニもそれに迫っているが、終戦直後の配給を受けるように一個のパンを求めて行列を作る。専門学者たちは想定外の事実に、無責任に冷笑する。机上の空論を研究し続けている。原子力発電所に囲まれた日本列島、いよいよ東海とか東京に直下型地震が来る。(必ず来る。全てが想定外となる。)その時、「日本は死ぬ」ポンペイが火山爆発で死んだように。この国一番大切な教学は、「防災学」「減災学」である。美しい国を守るとは、主義主張を越えて共に学ばねばならない。机上の空論より“おばあちゃんの知恵”なのだ。500兆円近く内部留保金を溜め込んでいる大企業は、揃って防災に資金を出す必要がある。(義務でもある)金、金、金、を追い求めて、人間の関係をズタズタにして来た、そのことが、必ず大自然の怒りによって愚かだったことを知る。が、その時日本は沈没しているだろう。我々ホモサピエンスは金儲けに進化しすぎてしまった。異形の生き物になってしまった。そしてネアンデルタール人のように滅亡する。現在9月7日午前4時48分11秒、10分後20分後、大地震が来るかもしれない。大自然に最大限の敬意を表さないと許してもらえない。 国失って、与野党もない。協力すべきは、協力して行かねばならない。各企業も同じだ。全国民が「防災、減災」を、そしてみんながもっと仲良しになって助け合おう。テレビでは、松竹映画が、「男はつらいよ」フーテンの寅さんをリメイクする。そのスタート、カチンコを鳴らしていた。ヨーイスタート。無欲で恋多き寅さんが、日本人なのだ。江戸時代の長屋の住人のように。キーワードは「親切」そして「仲良し」。イテテ右足がつってしまった。


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