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2010年9月7日火曜日

湘南の嵐便り 「男たちの挽歌」


香港のフィルムノワール(暗黒映画)の巨匠、ジョン・ウーの代表作に「男たちの挽歌」がある。その映画のキャッチフレーズが「恥じて生きるより熱く死ぬ」であった。

ポスターをひと目見てビビッと来た。



主人公の兄貴が抗争で刑務所に入り弟一人が街に残される。
片足を引きずる男は後に大スターとなるチョウ・ユンファだ。相手にこづかれ床に落ちた物を拾わされあらゆる侮辱を受ける、周りから何てみっともない男だ恥知らずとバカにされる、毎日相手方の店の掃除をさせられたりする。ひたすら兄貴の出所を待っているのだ。

そしてその日は来た。二人でバーに入る不自由な片足の(相手に刺されたが兄貴が出所するまで我慢していた)の膝の上にウイスキーのオンザロックを置き、足を上げグラスを口にくわえオンザロックを一気に飲む、兄貴お帰り待っていたよと二人はグラスを交わす、さあ、復讐だ。


このシーンが最高に良かった。
何度かバーで真似したが遂に上手くいかなかった。それ以来私の座右の銘は「恥じて生きるより熱く死ぬ」とアチコチに書いた。で二人が相手に殴り込む、どこか東映の高倉健の映画の様であった。

低予算で作った映画だが大ヒットして「男たちの挽歌」シリーズとなった。
チョウ・ユンファは香港最大のスターとなっていった。又、監督のジョン・ウーも世界的に有名になった。低予算でもいい映画は作れるのだ。それまではブルース・リーとジャッキー・チェンであった。


この頃ヤクザ映画の秀作がまるでない。私は何本かシナリオを書いている。
一億円か一億五千万円で最高のフィルムノワールが出来る。どこかに出資者はいないでしょうか。その筋の映画が好きな大金持ちを紹介して下さい。何処へでも飛んで行きますので。


思えば恥ばかりさらして生きているのだが。

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