松岡正剛氏 |
ある高名な哲学者がこんな事を書いていた。
私の人生で唯一自分を誉めてやりたいのは本を読まなかった事だ。
悪い活字、悪い文章程精神衛生上悪影響なものはないからと。
しかしこれは万巻の書を読んだ人のみに許される超一級のジョークだろうと思う。
我が国にとんでもない知の巨人、読書の超人が一人いる。
松丸本舗の書棚 |
本の海を泳ぎ、本の山を登り、本のピラミッドを建てる。
あらゆるジャンルの本を読み、整理し、系統だて分類しその上で空間の中に本の迷宮回廊を作り上げる。
一見好き勝手の様に、そう子供部屋の本棚の様に置いてある。
躾の厳しい親なら本棚をキチンと整理しなさいと叱られるだろう。
本の題字すら読めない本もある。
人間の心理として読みにくいものは見たくなるものである。
横のものは縦にしたくなる、縦のものは横にしたくなる、あえて分類をしていないものは分類したくなる。
売り場のベテラン女性にこれで売れますかと尋ねると、ウフフフとだけ言った。
一冊は「告白」、一冊は「宿屋めぐり」、一冊は友人に、一冊は知人にプレゼントする為である。
「町田康」の本を手にしてそうかこの空間はパンクロックなんだと思った。
一日中居てもタダで楽しめる、松岡正剛という人間図書館なのだ。
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