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2010年10月14日木曜日

湘南の嵐便り 「エスペランサと絶望」

チリ・コピアポ。

ノーベル賞受賞者の栄光も素晴らしいが、地下700メートルで69日奇跡的に生き抜いた人間の強い意志もノーベル賞に劣らず素晴らしかった。
屈強な男は地界から現れた。

一人目の救出者アバロスさん

息子と固く抱き合い、妻と抱き合う、だが何処までも冷静だ。
フロレンシオ・アバロス(31)、仲間から選ばれた男であった。


一発で十万人以上も殺してしまう悪魔の爆弾もあれば、自分の体に爆弾を巻き付けジハードだと言って自爆し沢山の命を奪う命もある。

世界中の目がチリの奇跡に釘付けになるのはそこに見失っていた人間の強さ、人間の意志、人間と人間の信頼関係、国民と国、国と国、英知と経験の結果、そこに国境はなかった。

アバロスさんの息子、感動しました
そして何より我々を感動させたのは、父と子、夫と妻、友人関係の絆だ。
何もかも現代社会は忘れしまっていた。
事故にあった鉱山は収入がいいが危険で人が入りたがらない処であったという。
しかし家族のため、生活を守るため、危険を承知で入山していったのだ。


トンネルを抜けるとそこはもっと長いトンネルだった。
悪夢から覚めるともっと悪夢だった。折角の命の先が幸多かれと思わずにはいられない。
「奇跡は奇跡的には起こらない」といった人がいたが正にこの度の奇跡は普段の強い心の結集であったのだ。


人と人が罵り合い、足を引っ張り合い、嫉妬し合う浅ましい社会はこれを教訓に活かす事だ。私も学ぶ事が多かった。

鳥肌が立って、涙が流れ手を叩き続けた。白いヘルメットを被った少年の父を見つめる目は神を見る様であった。日本国の国会の予算審議がテレビから流れていた。
何と切ない、悲しい、虚しい論争かと目と耳を疑った。


切ない、悲しい、虚しい論争中・・・


チリで事故が起きている中で一人の赤ちゃんが生まれた。
その名を「エスペランサ=希望」という名にした。
地界から出た男に希望が待っていてくれたのだ。


地上へ引き上げるカプセルの名は「エスペランサ」と「フェニックス=不死鳥」だ。
日本国にエスペランサは果たしてあるのか、あるいはフェニックスの様に甦る事が出来るのか。

国会論争を見る限りNOといえる、希望より絶望の方が近い。
不死鳥より焼き鳥だ(麻雀で一回も上がれないのを焼き鳥という)最低だ。


親たちよ、子供にゲームや勉強ばかりさせないで、海で川で山で砂場で公園で真っ黒になるまで遊ばせる事が大切だ。いくら勉強出来ても点数を沢山とっても木登りして柿の一個も取れなければ生き残っていけない。

子供たちには思い切り遊んで欲しいですね


20代の若者が家計簿をつけたり、スーパーのチラシを持って買い物をする、クーポン券をせっせと貯めて少しでも貯金をする、こんな事が現実だとしたら明日は真っ暗闇だ。


チリはいろんな事を世界中に教えてくれた。命は尊い。
パパは少年や少女、妻や仲間の誇りなのだ。




男は強くなければ男でない。子熊達にエサをあげたい熊が射殺された。
アチコチで熊も猿もエサが無くなっている。これらも人間と同じ命に変わりはない。



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