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2010年11月18日木曜日

湘南の嵐便り 「チンタラ」


いつまで掛かってダラダラチンタラやってんだよ、さっさとしろい。
全く何をやらせてもトロイんだから。そんな事で一人前の職人になれると思っているんだ、と親方や兄弟子に叱られ、どつかれ、こづかれ職人は育っていく。


放送作家の古谷徹さんが「チンタラ」は実は焼酎造りの言葉だと書いていた。
へえーそうなんだ、一時の焼酎ブームも去って酒造メーカーはサバイバル時代へ、そんな中で昔ながらの製法を見直す機運が高まっている。

兜釜式蒸留気

そのシンボルが江戸から明治にかけて使われていた兜釜式蒸留器、通称「チンタラ蒸留器」だ。現在焼酎の多くはもろみ蒸気を吹き込みステンレス製の釜で大量生産をしている。
対して「チンタラ」は鉄釜にもろみを入れ直火でじっくり加熱して造る「スローフード」だという。熱くなった鉄釜が「チンチン」と音を発し、蒸発したアルコール分が冷やされ液化、「タラタラ」と滴り落ちる。略して「チンタラ」。


「チンチン」は鹿児島弁でゆっくり、少しずつという意味らしい。
こんな事を教えてくれたのは今リコール問題で大騒ぎしている阿久根市の大石酒造の五代目であったと記している。

この頃は家の中で恐い奥方がヤル気のない孤舟族に、何皿洗い一つやるのにチンタラしてんのよとか、さっさと洗濯物取り込んでよ全くチンタラしてんだからとか、何私の後をチンタラ歩いてんのよとか、たまには一緒に寝てあげるからチンタラしてないでさっさとシャワー浴びて来なさいよとか言われ文字通りたつものもたたずチンタラーとなってしまう。


妻とか、女房とか、かあちゃんとか、お前と呼んでいる女性を「山妻」「山の神」とかいう。恐い山妻が増殖していてチンタラ亭主は粗大ゴミ化され家の中で居場所がなく、タラタラと油汗をかいている。


私の友人の写真家は余りの高名さ故全くもって仕事が少なくなった。
家に居ると山妻にジャマだからどっか出掛けてと言われ、ほぼ毎日「ぶらり途中下車の旅」と「ちい散歩」を混ぜこぜにした様な形で時間を潰しているというではないか。


特快とか快速とかは絶対に乗らない、一駅一駅チンタラチンタラ走るのが絶対条件という。朝出掛けて夕方帰るのだ。
お土産に干物だ、まんじゅうだ、おせんべいなんて買って帰ると酷く叱られるらしい。そんなものしっかり仕事で稼いでからにしてと。

大巨匠はチンタラしている若い人には使いこなせない凄い写真家過ぎたのだ。
どなたでも紹介はいつでもします、腕は日本一です。

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