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2013年3月8日金曜日

「心の握手を」




親しき仲にも礼儀あり。という事が全くわからなく酷く悲しい人間がいる。

例えば何年間か務めた会社を辞める時、仲間が幹事となって一生懸命会場を探し、会場と打ち合わせをし、プレゼント等を考えそして購入し、少しでもいい会にしようと努力する。長い間いた人程幹事は盛り上げようと苦心を重ねる。
 
で、その会の主人公つまり退社した人間が、「その節は大変お世話になりました、上司や社長や会長はつくづく嫌いでしたが、幹事さんには心より御礼申し上げます」こんな葉書一枚が書けないのは社会人失格です。決して幸福になれないでしょう。

私の知り合いの会社の殆どが“みんな疲れて忙しい中幹事たちが心を込めて会を催したのにアイツ葉書一枚幹事に寄越さねえ〜まったく”といいます。
私もそんな人間を何人か送りだしました。
経営者は嫌われてなんぼの存在で仕方ありませんが、たった一枚の礼状が書けない人間が多い社会を私は心から情けなく感じます。

このごろやたらくしゃみが多いのは花粉のせいばかりでは無い様です。
アチコチできっと“アノアホバカオヤジサイテー”と噂話をされているのでしょう。
最も私のモットーは、嫌いでケッコー、コケコッコー、好かれちゃ困るでやって来ました。

NHKのプロフェッショナルという番組で、幻冬舎の石原正康さんという敏腕編集者が、作家さんたちと朝まで話し合い、飲み合い、潰れ合っても、次の日キチンキチンと一人ひとりに“昨日はどうも・・・”と手書きの葉書を書き自分でポストに入れるのを常としていました。石原正康さんは葉書は“心の握手”ですといっておりました。

一度村上龍さんとお仕事をさせていただいた時、石原正康さんとお会いしました。
さすがにプロの殺気が凄かったです。
ヒット作やベストセラーを連発するその裏にきっと一枚の葉書が作家たちに“ヨシアナタ”のためならという気にさせたのでしょう。

私は人間を見る時は、まず目が泳いでないか、挨拶がちゃんと出来るか、何度かお茶や食事をした時、ウソでも今日は私が払いますというか、礼状の一枚も書けるか、それが目安です。

私の特技はどんなに苦手な人間であっても何年でも付き合える事です。
何故なら自分自身が欠点満点なので相手がきっと大嫌いな私でも付き合ってくれているのがわかるからです、“それ故、来る人拒まず、去る人を追わず”を貫いています。

歓送迎会の多い人事の季節です、幹事さんがとても疲れる季節です。
みなさんどうか“心の握手”ができますように。
またいちばん親しき仲は親兄弟、春近し季節の便りでも是非書いてみて下さい。

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