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2014年12月22日月曜日

「みんな、みんな」





おじさんは一年中手焼きせんべいを焼いている。
お兄さんは一年中うなぎの串を刺している。
おばあさんは一年中古い着物を売っている。
おっさんは一年中果物を売っている。
親と子は一年中ラーメンをつくっている。
おねえさんは一年中有機野菜を売っている。
みんなみんな一年中同じことをしている。

靴の修理、ペットショップ、とんかつ屋、お蕎麦屋さん、花屋さん、整骨院、お弁当屋さん。みんな一年中同じことをしている。
人間の営みとは日々同じことを繰り返すこと。
急いでやろうとすればケッつまづいたり、自転車で転がったり、ナイフで手を切ってしまったり、火傷したり、せっかく作ったお弁当を床に落としてしまったりする。

天皇陛下も我々市井の民も時間は平等だ。
一日は24時間なのだ。仕事場の真ん前で何やら大工事をしている。

ガードマンが3人棒を振っていた。その内の一人に1年中大変だねといったら、今日で2日目ですといった。それじゃ一日がなげえ~だろといったら、一日が1週間くらいに感じますといった。

今年も残すところ10日となった。26日で仕事納めの会社が多い。
この季節は借金トリという意地の悪いトリが弱い者からなけなしの金をむしりとっていく。
借金トリという位だからピーピーと鳴く相手から容赦なく取り立てる。黒いママチャリの前のカゴに大きい黒いカバンを入れた男たちが目につく。銀行や信用金庫の人たちだ。お~元気にやってるかと知り合いの融資課の人間に声をかける。

何かと気ぜわしくなって来たのを肌で感じる。
今から10年前の仕事場付近の写真を観ると同じようだが8割以上の店が変わっていた。夫婦でずっとやっている小さな喫茶店に入ってモーニングサービスを頼んだ。
メニューはモーニングだが頼んだのは1時過ぎ、その名をトーストセットに変えてあった。
ゆで玉子をおでこにゴツンと当てて割った。赤と黄色のジャムが私を見ていた。焼けたトーストと一緒に。

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