ページ

2014年12月4日木曜日

「ダウンの価値」




大先生がいいました。
実業界にとって「景気」というものは、ボタモチのようにタナから落ちてくるもんなんですね。だから彼等は今日もまた一生懸命タナの上を見ますよ(故東大名誉教授、大内兵衛)。

トリクルダウンという言葉がこの頃あちこちのニュースに出てくる。
早い話1%のお金持ちがもっとお金持ちになれば、全然お金持ちでない人々におこぼれが落ちてくる、それにより景気は良くなるんだよという経済用語らしい。
当然私はお金持ちでないのでタナからボタモチが落ちてくるのを待つようにずっとタナの上を見ているのだが。
 実業界というか経済界はせっせ、せっせとタナの上の権力に献金をしている。
赤組が権力を握ると赤組へ、白組が権力を握ると白組へ。右往左往する。

バカ者、トリクルダウンじゃねえ、トリプルダウンだと怒る人は世の中を真当に生きている人々だ。実質給与ダウン、年金もダウン、円の価値もダウン、ついでに国債の価値もダウンだ。

最良の羽毛ふとんに使用されるのは良質のグースダウンなのだが、明け方に見た通販番組「カイモノラボ」で、ある安物の羽毛布団に“ハンガリー産ホワイトダックダウン”85%と内容表示がされていた。なんだいこりゃと大声を出してしまった。

この際ハッキリいわせてもらうと、一万円台、二万円台、三万円台、四万円台、五万円台などの羽毛布団に最高品質なものは絶対にない。
臭い、汚い、ダニだらけ、長持ちしない、羽毛出が多い。
名ばかりのダウンは使う人の睡眠の価値をダウンさせる。

なんだかダウンばかりの話となってしまった。
ダウンが評価されるのは最高品質の羽毛ふとんとプロボクサーだ。
相手をダウンさせKOすればボクサーの価値は上へ、上へと上がる。
ボクサーにタナからボタモチはない。タナの上を見るようにアゴを上げれば相手のパンチを受けるからだ。

現在実業界、経済界のリーダーたちはタナの上を見上げてアゴはガラ空きだ。
きっと強烈なパンチが、バチン、バチン、バチンと当たり、リングの上にダウンし転げ回るだろう。栄光あるSONYのマークが、かつての本社ビルから取り外されていた。
ダイエーの名は消える。“どういうわけかキリン”といわれたガリバーキリンが時価総額でサントリー、アサヒに抜かれ第三位となってしまう。
大ヒットを連発したキリンビバレッジはな、なんと赤字となってしまった。

一度ダウンしたブランド価値が再び上がった例はこの国では殆どない。
キリンブランドに大恩ある私にとって悔しく、つらく、かなしい。
そんな記事を読みながら飲むにはいつものグラス気分にならない。
で、湯のみにヤケ酒を注いだ。どういうわけだキリン。
経済誌ZAITEN今月号にサントリーいよいよキリンを手に入れるかと、真冬の悪夢の様な記事が書いてあるとか、急ぎ取り寄せてもらっている。

0 件のコメント: