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2019年9月27日金曜日

「犯人は?」

朝6時25分、カーテンを開け、硝子戸開けて、さあ金魚ちゃん(と言っても体長20センチぐらいに成長して鯉みたい)にエサをと行動したら、ウギャと思った。沓脱ぎの細長い石の上に、頭部を食べられた金魚の姿。池をみると8匹いたはずの赤い金魚がいない。ずっと以前にも同じことが2度あった。犯人は分からなかった。7、8年前、平塚の七夕祭りの金魚すくいで子どもたちが持ち帰って来た。そのときは数センチであった。以来ずっと、愛情をかけて育てていたら、りっぱな鯉みたいになっていた。今年の夏の猛暑で12匹のうち4匹が死んでしまい、小庭の隅にお墓をつくってやった。オ〜イ! 起きろ、また金魚が消えたぞと、上の階で寝ている愚妻に言ったが、さしたる反応はなし。きっと熟睡していたのだ。以前、神隠しのように1匹残らず消えたときから、もう金魚はヤメテ、ブキミだからと言っていた。それ以来、池には太い竹で、水面の半分以上かくしていた。よく見ると、竹の上に金魚のウロコが生々しくへばりついている。右隅の方に水を流すところがあるのだが、そこにもウロコがあった。池の中をよく見ると1匹が生き残っていた。恐怖心が残っているのか、ジッとして動かない。チクショウかわいそうにと思いながら、再び上の階に向かって、「オ〜イ、小さなシャベルは」と大声を出すと、「何よ」などとネボケながら、物入れからシャベルを出して来た。「キモチ悪い。だから言ったじゃない」などと言った。私は池の側の土を掘り、頭のない金魚を手にして埋めてやり、2本のお線香を立てた。私は3時頃まで映画を見ていたので、それから6時の間の出来事だ。7時59分、庭師の人に電話した。「それはサギですよ、サギ」と言った。以前から犯人説はイロイロあった。鎌倉の故義兄はタヌキだと言った。長く通ってくれていた故庭師は、「サ、サ、サギですよ。ダンナ、サギはひと飲みですよ」と言った。立派な錦鯉を何匹も池の中に泳がせている、藤沢のうなぎ屋さん(うな平)のご主人も「サギですよ」と言った。確かに海の側なのでいくつか川があり、サギがたくさんいる。以前の時、「夜中に撮影する装置をつけましょう」と言われたが、「何が写し出されるかキモチ悪いからイヤ」と反対された。ご近所の人は、カラスとかハクビシン、トンビではとか、野良猫説を言った。「う〜ん、小さな庭にある3メートル程の池に、空からサギが飛んで来るか、鳥なら羽根ぐらい落ちているんじゃないの」と言った。羽根はまったくない。それに今度は食べ残しがある。飲み込んでない。ウロコがいっぱいある。赤い金魚全匹に名前をつけていた。「あ〜あ、チクショウ、そうだ物知りの鍼灸の先生に聞いてみよう」と思い電話した。先生は明快に、それは「アライグマですよ」と言った。「何! アライグマ(?)」。先生は言った。「鎌倉に住む私の患者さんの家では、錦鯉をパクパク食べられましたよ。防御用のネットを食いちぎって池の中に入って」「え! そうなの、アライグマなんているの」と聞けば、「この頃、異常繁殖して、市から駆除していいとの許可まで出ている」と言った。ペットとして飼っていたのを自然に帰してあげようと、鎌倉山あたりで起きたことが、すごい繁殖力を持つ、アライグマを大量に生み出し、それが藤沢、辻堂、茅ヶ崎、平塚と東海道線みたいに移動しているらしい。アライグマの資料を読むと、サギ、ハクビシン、タヌキ、猫、カラス、トンビなどの説より、いやにリアリティがあった。私が今の家に引っ越して来たときは、周辺は小さな山がたくさんあった。山の香りが残っているのだろうか。昨夜、帰宅して池を見ると、赤い金魚が1匹悲しそうに泳いでいた。日曜日、川に放流してやろうと思ったが、サギのエジキになるかとも思った。「夜中の撮影をするか」と言えば「キモチ悪い」と言う。傷心の私は思案に思案を重ねている。みなさんはこんな経験がありますか(?) アライグマを見たことありますか。金魚は鬼のようになって生きている。私の身代わりになってくれたのかもしれない。犯人は私の天敵である。アライグマには、天敵がいないらしい。
小庭の池


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