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2019年9月6日金曜日

「おいしいことは、たのしい人と」

昨日午後2時〜5時、あっという間の楽しい時間を楽しんだ。私が国宝といっている、天才葛西薫さん。名門サン・アドに長く勤める、もと私のところにいた美女二人。ところは中野駅北口大アーケードの主流からちょいと外れた路地裏。店の名は「第二力酒蔵」、なぜ2時からと思ったら、店は2時オープンだった。世界的グラフィックデザイナー葛西薫さんは、北海道出身で魚の善し悪しに目が効く。この店がまるで札幌の市場がそのまま移動してきて、広々とした店を構えているが如く、メニューは超のつく新鮮魚類図鑑であった。イカ、平貝、カワハギ、サバ、白身魚たちの盛り合わせ、絶品のキンキの煮つけ。ずっとむかし話、ちょっとむかし話。最近の話、直近の話、内緒の話は、アノネノネなど、あっという間に3時間、ソロソロ次のお客さんがと、店の人に言われなければ終わりなき、おいしい、たのしい、うれしい時間であった。当然、お金にまつわる下世話な話は一切なし。私は葛西薫さんを国宝と言っている。人格、見識、明朗、才能の宝庫だ。私の敬愛する神の申し子「仲畑貴志」氏との、サン・アド時代のサントリー、ソニーの名作の数々、その後も日本の広告史を二人で創った。二人は今も光り輝く作品を世に出している。サントリーが生んだ、サン・アドという会社の功績の大きさは計り知れない。私たちの業界もSNS社会の台頭により、すっかりしょげかえっている。だが、生活の糧、今日のパン、明日のパンのために、働かねばならない。広告主の担当はゲーム世代なので、エモーショナルな広告を好まない。つまり感情の広告を必要としない。でも私はあきらめない。きっと言葉の時代、メッセージの時代、叙情的世界の広告の時代が来ると信じている。若い人材たちの感性で。そして、香港の若者たちのような、怒りが噴出する時代が来る。そのとき、必要なのがメッセージ広告である。広告は社会の鏡と言う。久々4人でたっぷり「北の味」を食した。「キンキ」はやっぱり北海道がいちばんだ。数日前、天才中野裕之監督と昼食をともにした。天才は東京の離島を撮影しに行くとか、まずは青ヶ島、ライフスタイルデザイナー山藤陽子さんと三人であった。山藤さんは全身黒のファッション、すき透るような美しい女性。才能あふれる人たちと会うと、私の闘志に火がつくのだ。水曜日まで400字のリングは休筆となる。みなさん、いい週末を。私はいろんな天才に会いに行く。
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