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2020年1月17日金曜日

第6話「私は度胸」

私は「度胸」である。実体はない人の中にある。私はあいつは度胸があるとか、度胸がないというように使われる。この世を動かし制する者、又、いざという時守るべきものを守れるのは、度胸のある人間だ。もし強さだけで世を動かせるなら、怪物のようなプロレスラーとか、格闘家、武道家、ヘビー級のボクサーが制すだろう。冒険家、探検家、登山家、マタギの名人、屈強な軍人たち、凄い人間は山ほどいる。が体力的に強い者がリーダーになれる訳ではない。体は小さくて、戦闘能力もない。吹けば飛ぶような人間が、実は最高実力者になり、歴史を動かして来た。何があったか、それは知恵と度胸、そして愛嬌だ。あとピストルの引き金を引く指の力さえあればいい。但しその度胸は並外れていないと命を落とす。人の心を掴む度胸、全財産をバラマク度胸、虎穴に入って行く度胸だ。人生とは度胸試しと言ってもいい。修羅場を乗り切るには度胸なのだ。金を貯め込んでいる人間は、実のところ金が減るのが恐くて仕方なく、いつも用心深くブルっている。でも、人に好かれたいと思って動くが、相手はただ金に付いているだけだ。本物の人間は嫌われる度胸がある。逃げなければならない時は、逃げ出す度胸がある。愛する者を守る時、引き金を引く度胸がある。(日本ではピストルは持てない)正月休みメキシコの麻薬王「エル・チャポ」を描いたドラマシリーズを見た。シーズン(1)、シーズン(2)、シーズン(3)、合計1200分位以上ある。チャポとは、小さいとか、チビの愛称である。この小さな(165センチ位)男が、一年間で5000人位殺されるという、メキシコの麻薬戦争を制す。(二度脱獄して現在投獄中)残酷な男たちのボスになる。何故かと言えば度胸がある。約束を守る。引き金を引く度胸がある。チビだからかわいい。そして、大統領をはじめ政財界から、税関、軍隊、警察、検察すべてに金をバラマキ思いのまま操る知恵がある。ナポレオンやチャーチル、鄧小平も、ガンジーやマンデラも体は小さい、が、度胸があったのだ。私は度胸であって、私から人は選べない。できることあれば、100人の敵を前にしても、ニコッと笑っていられる人の中に入りたい。でも、バァーンと人が銃を撃つ時は、胸を狙うから痛いのは嫌だ。日本国の野党のリーダーには度胸があるのがいない。小異を捨て大同につく度胸がないのだ。肩書きや政党助成金を取られたくないからだ。選挙に落ちるのが恐くて仕方ないのだ。島根出身の小さい体の元総理大臣は、目配り、気配り、金配りをモットーにして、大親分田中角栄を追い込んで、派閥を乗っ取った。ここ一番の時に金をバラマク度胸があったからだと言う人は多い。人間は現ナマを前にすると、99.5%の人間は取り込まれる(?) エル・チャポはそれを知り尽くしていた。

エル・チャポ

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