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2020年1月21日火曜日

第8話「私は結婚」

私は「結婚」離婚とはコインの表と裏みたいなものだ。この頃結婚しないという風潮がある。その先に希望とか夢が見えない。金がかかるし、面倒臭いなんていう人も多い。その一方今日こそ別れてやる、今日こそ判子を押す、なんていう人も多い。そこで、偉人、賢人などは、私結婚についてどんな言葉で表現していたか、私は古いノートをパラパラとめくった。例えばこんな言葉。「結婚とは、のべつまくなしのバカバカしい口論に情熱を傾けること。」又こんなのも、「よい結婚はあるが、楽しい結婚は少ない。」そしてこんなのも、「結婚は雪雪景色のようなもの、はじめはきれいだが、やがて雪解してぬかるみになる。」さらにこんなのも「妻は妻として立派になるほど、女でなくなる。」その他に「理想的な夫、そんなものは世の中に存在しない。それは乾いた水、焼いた氷を探すのに等しい。」「結婚へは歩け、離婚へは走れ。」あえて誰が何を書きのこしたかは伏す。偉人も賢人も、私こと結婚については、悩ましいことであったようだ。私結婚は成りゆきにまかせてというしかない。我慢比べのようなものだから、喧嘩するほど仲がいいとも言うし、夫婦喧嘩は犬も喰わないと言う。新年早々海の向こうアメリカから、結婚しましたといううれしいAIR MAILが届いた。又武州三多摩から息子たち夫婦は、まい日イザコザしているとのお手紙も来た。イザコザを実は楽しんでいるとしたら、「結婚の達人だ」生死の程は分からないが、ずっと会っていない知人に、結婚を六度した人がいた。六度共キチンと入籍をした。大手広告代理店のすぐれたクリエイターだった。スキンヘッドにアロハシャツ、丸々とした目をしていた。指は太くてふっくらしていた。結婚好きで有名であった。ひょっとしたら今では、十度位しているかも知れない。離婚をするのも当然早いということになる。相手を傷つけだと思うと、さっと離婚する。私結婚はこの人をよく思い出す。何故ならとてもよく結婚してくれたからだ。私結婚に悩んでいる人にある賢人の言葉を伝える。「私は人生の岐路にたった時、いつも困難な道を選んできた。より険しい人生の道のりを自分で選ぶには、相当な意思の強さが必要だ。」この賢人は終生子どものようであった。正式な結婚はしていない。ゲ、ゲ、ゲージュツは、爆発だと言った。私結婚ほど険しい道はない。でも、ジョナサンというファミレスで、結婚したてのような若い夫婦が、クーポン券でもらったショートケーキを、二人で仲良く分け合って食べているのを見て、私結婚は、かなりうれしかった。やっと冬らしい冷雨降る土曜日の午後のことだった。
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