ページ

2009年12月7日月曜日

人間市場 ノーベル市篇

ノーベル賞を貰ったからって思い上がってはいけない。

科学者、研究者だからといって特権意識を持ってはいけない、そう思う。

科学者と大田区辺りで一人苦心を重ね発明、発見しているグリスまみれの社長とどう違う。


凄腕の職人や大工さんや庭師の人たちとどう違うと言いたい。国の予算、即ち税金を使っているのだから謙虚にならなければいけない。自民党の放漫経営で国は破産しているのだから。(私はどの政党にも属していない)確かに、科学は人類に貢献し、文明、文化を切り拓いて来た。

人間を月に立たせたり、歩きながら電話をかけられる様にしたり、宇宙から車を誘導出来る様にしたり、又、原爆や水爆を作ったりしてきた。人を生かすも殺すも、あらゆる便利も作って来た。だが、一方でこんな警告をしっかり心しなければいけない事がある。過日百歳で死んだ、フランスの社会人類学者、思想家のクロード・レヴィ=ストロースはこんな事を書いている。

「世界は人間無しで始まった。だから人間無しで終わるだろう」と。中国の言葉に「歴史は作った者によって滅ぼされる」とある。ならば、人間が作った文明、文化は人間によって滅ぶという事になる。


科学の予算が削減されそうだと聞きつけて、普段は犬猿の仲の大学の学長十人がひな壇に揃う。

五人のノーベル賞受賞者が揃う。その中の一人は口をわなわなと震わせ、削減した者は後世の歴史の法廷に立てるのか、などと怒った。ips細胞の研究者もノーベル賞を受けるかもしれない。

その研究は、死んだ細胞を再生させるという夢の様なものである。ひょっとすると人間は永遠に死ぬ事が出来なくなるかもしれない。自分と同じクローン人間が自分の隣に座るかもしれない。神の領域に迫るものである。

宇宙の先に何があるか。あったらどうなるのか、夢は尽きない。その功績は計り知れない。だからこそ私は言いたい。もし、あの席でこんな話し方をしたらどれだけ値打ちが上がっただろうと。

例えば「今日はみなさんお忙しいところお集まり頂き誠に恐縮。我々ノーベル賞受賞者と言っても、大変な税金の無駄遣い者。何しろ浮世離れした夢を追って居りますので、誠に経済はオンチであります。科学は人間の欲望みたいなものでお金がかかってしまいます。この度、政権交代により科学研究の予算が削減されると聞き、これは一大事と思いここにうち揃ってこんな高い所に座って居る訳です。研究はSEXみたいなもので途中で止める訳にはいきません。あっ、イカンイカン、失言です。お許し下さい」等と言えば、流石という事になったでしょう。


私が尊敬している立花隆氏まで、事業仕分けしている者は、バーバリアン(野蛮人)だ。日本は科学技術でしか生き残れない等と言った。がっくりです。やっぱり彼も東大出の限界だと思った。それじゃ、農業、商業、林業、漁業、工業、職人、民芸、大衆芸能なんて全滅してしまうのかと言いたい。彼等はどこかに学歴主義、権威主義、見下し主義の特権意識がある。どうせなら、「ガバッと金を寄こせば、ガバッと国を儲けさせっから、発明、発見は無駄遣いの結果じゃけん、ケチケチしてたらイカンぜよ。」と坂本龍馬的に言った方が余程スケールがあると思うのです。いい女を抱くには、金がかかるんじゃけんのぉ〜(これは広島弁でした)

元々研究なんてものは私財を投げ売っていたのです。体を張っていたのです。華岡清州の妻の心が必要なのです。野口英世の母の心が必要なのです。


ちなみに、銀座のクラブで一番スケベェなのは大学の教授です。それを連れて行くのが文部科学省の役人、天下り団体、重機械業メーカー、教育関連メーカー、薬品メーカー、医療費メーカー等の関連会社。又、芝白金で愛人を囲っているのもその人たちが断然多いと聞きました。いい身分なのです。


立花さん、病気してから鋭さ不足です。この前の月刊文藝春秋の小沢一郎研究も、あの田中角栄を追い込んだ、殺気も熱気もありませんでした。私にとって唯一のジャーナリストと思っていたのですから、他のマスコミと一緒に群れを組まないでください。

あんだけ怒った次の日に五人はがん首揃えて宇宙人総理大臣に表敬訪問最敬礼。なってねぇな、やっぱり学者は。喧嘩の仕方が全く判ってないと見下したのです。もっと矜持を持てと言いたい。もっと自分の金を使って銀座で飲みなさい。


私は、権威主義者は大嫌いです。真っ向勝負です。

追記として、クロード・レヴィ=ストロースは「野生の思考」の中でこう主張している。

野蛮の中にも思想があり、技術があり、人間的生き方の尺度もある。サベージ=バーバリアンを植物に置き換えると野性という意味になる。

ミシェル・トゥルニエは「フライデーあるいは太平洋の冥界」の中で、文明と野蛮とを共存させようとした。つまり、戦争を起こす人間、その最新技術を生んだ科学者たちも。南海の孤島で、一人山羊と戦い、それを殺し皮を剥ぎ、骨で楽器を作り風に音を生ませる人間。そのどちらも野蛮人という事かもしれない。

教授達よ、一度南海の孤島で一人暮らししてみるといい。ロビンソン・クルーソーの様に。立花さんも又、孤島に一人になった時、その日その日を食べて行くために野蛮人、つまりバーバリアンとなるだろう。科学者はもっと人間的に偉い人になって下さい。

ご無礼はお許しを。

1 件のコメント:

sakon さんのコメント...

個人的意見ですが、頭でいろいろ考える人より、エガチャンのように体でぶつかっていく人のほうが偉いと思います!!バーバリアン、原点ですね。