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2009年12月23日水曜日

人間市場 龍と竜市篇

坂本龍馬は司馬遼太郎先生によって、坂本竜馬になった。
「龍」から「竜」へ。
何故、この事に関しては諸説色々と書いている人がいる。

事実を見た人は今この世にいない、それぞれの人間像を描くといい。
司馬先生は竜馬にする事でより自分の思いを主人公に託したのであろうと思う。司馬先生は快男児が好きでした。私も龍馬ではなく「竜馬がゆく」に新しい日本人像を見て胸を躍らせた。

龍馬はかなり商業的プロデューサーであった様だ。自ら作った海援隊なる組織、亀山社中は正に商社であった。ある時、紀州藩の船と自分たちの船がぶつかり沈没させられた。相手の方が何倍も大きい。
紀州は徳川御三家すっかりシカトを決め込んで弁償しない。龍馬は国際公法を持ち出し、金を払わないならシカトを決め込むなら国を貰う、なんて言って交渉する。こんな所がスーパー英雄化される。
犬猿の仲の薩長に片方には銃を片方には米を、それぞれ交換させ尚かつ手を結ばせ、自分は仲介料をゴッソリと手にする。長い間の日本に欠けていたのはこの交渉術である。日本人は外人に対してつい遠慮してしまう島国の習性国民性である。
しっかりせねばいかんぜよ。腹をすえてガンバレニッポンじゃけん。相手にナメられたらいかんぜよぉ〜。

日本中米国の基地、未だ占領下である。ハイ、どっちもどっちもと盆ござの上の様にあっちがいいこっちがいいと、さぁどうするどうする、丁か半かとかしましい。何も米国の言う通りにする必要は何もない。たっぷりと思いやりをして来たのだからたっぷりと時間を掛ければいいのだ。交渉とは時間と覚悟だ。
必死と決死、剛と柔だ。「龍」の政治性と「竜」の少年性を使い分けねばならない。司馬先生が存命ならきっとそう言うのではないかと思った。勝海舟は外交とは術なんだい、先にこっちの手を見せたら負けってことよ、と言っていたとか。

来年の大河ドラマは「龍馬伝」だ。龍馬は他力を利用する名人であった、ゼネラルプロデューサーである。プロデューサーの最大の才能と仕事はどこからかお金を引き出すこと、資金を集めること。
人間たらしに優れているか、嘘つきか大ボラ吹きかである。一歩間違うと詐欺師となり御用となる。


今年、何人もの映画プロデューサーがどこかに「フケ」た、つまり逃げた。逃げられた人は出来上がった映画を手にボー然としている。どこの映画館にもかかる予定は無い。タダのフィルムである(お蔵入りという)。

さて龍馬をお蔵入りさせた暗殺の下手人は、
(一)、幕府見廻り組説 

(一)、土佐の仲間、後藤象二郎説(協力、岩崎弥太郎) 
(一)、薩摩の西郷隆盛説 等々諸説ある。古来より裏切り者はユダの如く一番近い処にいる。
おっと、危ない。あいつ、まさか俺をである。疑ったらキリがないので私は人を疑ったりはあまりしない。それはとても疲れるから。人を見たらドロボーと思え、人を見たら裏切り者のユダと思え、人を見たらカモと思え。


ある不動産会社の社長が朝礼でガナってました。その会社の社長が先日、裏切られ追放されました。当然、一番に裏切ったのは一番信頼していた人間です。

1 件のコメント:

sakon さんのコメント...

冒頭の、龍と竜。なぜかその一文字を変えただけで、親しみが沸くのは何故なのでしょう。