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2009年11月22日日曜日

人間市場 映画市篇

ある日の夕刊、映画の広告ずらり。
大ヒット上映中、絶賛上映中、全米No.1ヒット、感動、感激、泣けた、笑えた、涙が止まらなかった。
衝撃的結末、愛が命を救う、構想二十年遂に完成、ここに人間の未来がある等々。
毎度お馴染みの言葉が目に飛び込んで来る。

政治の世界では、劇的に変化が起きていても、映画界は百年一日の如く変わらない。
ところが、映画館に入るとほとんどガラガラなんです。興行界では、お客を呼ぶ為に誇大広告は当たり前なのです。
構想二十年は、二十年前に作りたいな、と思った事。試写会でのインタビュー、最高でした。涙が止まりませんでした、等はほとんどヤラセ。
のりぴー裁判の傍聴券を手にするために徹夜で並んでいる人のほとんどが、その道の手配屋さんがバイトで雇った人。だからみんなコンビニの白いビニール傘。
芸能人や、有名人の出版サイン会に並んでいる人もほとんどヤラセなのです。
映画の興行収入は話半分、総制作費も話半分か、そのまた半分。

ある日、好奇心が強い私は、顔見知りの映画館主とお茶を飲みました。
館主はみつ豆を食べながら言いました。

問:なんで、ガラガラ十人しか入ってないのに大ヒットなの?
答:まぁ、一人も入らないんじゃネェからって思った位つまんネェものだから、十人入れば大ヒットよ。
問:誰が絶賛してるの
答:何でもヨォー、映画評論家がなんか、安いので一万、高いので三万も出せばオンの字でチョーチン記事を書いてくれるらしいよ。ただで観に来てんだから、ちょっと観て直ぐ帰っちゃうよ。まぁ、つまんねぇ映画を一日に三本も五本も観るから、大変らしいな。

で、今度はあるスポーツ新聞の映画関係の記者とコーヒーを、記者さんはビールでした。

問:あの映画の入りどうよ。
答:駄目、全然。大体一人で製作、監督、脚本をやったのが成功した試しはなく、まぁ即死じゃないの。
今の映画界は老人とシニアとオバサンと子供連れ、水曜のレディースデー。これしか入んない。
終わってんね。マンガの原作物ばかりだもん。
問:ところで、俺、こんなの作りたいんだけど。どぉ。意見聞かせてよ。
と、問いかけると。
答:・・・・・・・・・・・・・ビールもう一本いい?

だって。

1 件のコメント:

sakon さんのコメント...

一見華々しく見えても、実際は大変なんでしょうね。何の仕事も大変な時代。コツコツやホドホドというのが、とても大切であり、とても難しいということを感じる今日この頃です。