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2009年12月14日月曜日

人間市場 視力市篇

内藤大助敗れる。(かなり遅いニュースですね)

友人がネット上に亀田興毅のバンデージが異常に盛り上がっている、と教えてくれた。

鉛を入れたのか(?)昔のボクシング界でよく使った手口だ。内藤が第2ラウンド左ストレートを完璧に受けた。

一発で鼻は曲がり、異常に腫れ上がった。長い間ボクシングを見て来たが、確かに異常であった。

鼻血が詰まり、息が出来なくなり集中力に欠ける。あれだけの角度で入った左ストレートで内藤がダウンをしなかったのは亀田のパンチが弱いのだろう。


内藤の敗因はやはり年齢のせいだ。動体視力が断然違っていた。見切りが違った。入ったと思ったパンチは瞬間避けられ、避けたと思ったパンチは入った。その差が出ていた。スポーツ選手は全て動体視力の衰えから来る。

ゴルファーはパットラインが読めなくなる。野球は球にくい込まれ詰まる。バレーも、バスケも、サッカーも、卓球も全て動体視力の衰えから、入る筈のものが入らなくなり、がっくり来る。プロゴルファーは一本の芝、一ミリ二ミリのパットラインを読むという。

松井秀喜やイチローは自分のバットを作ってくれているバット職人にグリップの処を一ミリ二ミリ細く、又は太くしてくれと頼むと言う。バトミントンや、テニス、卓球はラケットの中心でスマッシュを、一ミリ二ミリずれると駄目だと言う。

バスケのシュートしかり、バレーもしかり、しかり、しかりである。

内藤VS亀田の一戦は紅白歌合戦並の瞬間最高視聴率50%強であった。その70%は内藤頑張れだった。アリスの名曲「チャンピオン」を思い出した。「立ち上がるな、これでもういいんだ。おお神よ」その夜私はアリスまみれになってしまった。

世の中はデフレ社会、デフレファイターなる新しい言葉まで生まれた。こちらは一ミリ二ミリではなく、一円二円の勝負をしている。娘夫婦が家に来てチラシを見る。あっ、こっちが二円安い、おっこっちは一円安い。クーポンも付いている。行こ、行こと言っている。男はスーパーなんかに行ってはいけないと心に決めて生きて来た。コンビニは新聞を買いに行くだけ(?)。お父さんは何かというと男のくせにと言うけど大変なんだからと言われてしまう。


「竜二」という映画で、堅気になった主人公竜二が、肉屋のバーゲンに並んでいる妻と子を見て、堅気と決別してヤクザな世界に還って行く。かなり判る気がする大好きなラストシーンだ。本日割引の赤い旗が印象的であった。その映画を作った、金子正次は「竜二」の初日に胃癌で死んだ。35歳であった。瀬戸内海の小島で生まれた男であった。

生きていれば60歳だ。その男が残したシナリオ四本の内の一本「チ・ン・ピ・ラ」を友人の増田久雄さんとフジテレビと共に製作した。(増田さんは今矢沢永吉の映画「ROCK」を製作・監督して上映中。是非観て下さい)この場合、金子正次という男の生き様に一票を投じたかった。

幸い映画は大ヒット。担保にした家は取られずに済んだ。無欲であった。

すっかり話がズレてしまった。私の動体視力も衰えた。一歩間違ってスーパーやユニクロに入ってしまうかもしれない。

実は生涯で十回位は入っているんです。そっと、一人で。

買い物、乗り物は大嫌い。自分で切符が買えるのは東海道線だけ。何事も人任せ、人頼り。始末が悪い人間なんです。

1 件のコメント:

sakon さんのコメント...

同じ内藤だけに応援してましたが。。人一倍悔しかったです。。でも真っ向勝負の良い試合でした。負けを素直に認め、また、引退しないと。泣けました。竜二の映画はまだ見たことありません。東本さんから聞くまではしりませんでした。ぜひ見ます!!!