サントリーHDの新社長にローソンの新浪剛史会長が就任するという。
創業以来115年、創業家一族で経営をしてきたサントリーが何故外様の人間を起用する事としたか。
これは私の穿った考えにすぎないのだが、近い将来サントリーとキリンが合併するだろうという事だ。新浪剛史会長は三菱商事出身。
つまり2010年破談となったキリンHDとの経営統合に対し、三菱御三家がOKを出したという事だと思われる。
三菱御三家といえば、三菱重工、三菱商事、三菱UFJフィナンシャルグループを指す。
キリンHDは三菱グループの一員である。世に人の「三井」「組織の三菱」という。
三菱の結束力は強い、グループ内の大事な事は、御三家が決める。
私の愛するキリンの株価はライバル、アサヒのほぼ半値である。
時価総額もアサヒに抜かれたり、抜いたりとせめぎ合っている(アサヒは住友系である)。
サントリーHDはアメリカの名門ブランドビーム社をM&A、その名をビームサントリー社として本社をアメリカに置き、激変するグローバル化に対し、一気に勝負をかけ動き出した。
七月二日、サントリーHD佐治信忠会長とローソンの新浪剛史会長が記者会見した。
その中で、再びキリンホールディングスとの経営統合があるのかの問いに佐治信忠会長は、「国内も非常に重要なので、絶対にないとは言えない」と答えている。
御三家と水面下で相当に話が進んでいる筈だ。
敵を欺く前に味方を欺けというから、キリンHDの知らない奥の院で強大な企みが進んでいるのだろう。
私はサントリーの仕事も多くさせていただいた。
だが、両者が一緒になるのには反対だ。
何故なら両方共に個性が違い、共に魅力的だからだ。
野心と野望と「やってみなはれ」の企業風土と、品質本位、「王道精神」を行く企業風土は相入れず、様々な不幸が見えるからだ。
ただTPP交渉の完敗により、日本の市場は全面的に開放される。
経済界は劇的に変わる。
三菱UFJフィナンシャルといえど世界ランクは10位だ。
1、2、7、9位が中国の銀行だ。三菱グループの強化は系列会社に赤いスリーダイヤを付けさせ始めた事で分かる。
「マナー重視、紳士たれ」という私の知るキリンブランドが何処へ向かうのか、気がかりでならない。御三家は鳥井家、佐治家はどんな絵図を描いているのだろう。
東の経済界のリーダーとなっている新浪剛史氏の突破力と行動力、現政権での発言力は凄いものがある。西の経済界のリーダーに甘んじている佐治信忠氏にとって、新浪剛史氏は天下制覇への強力な鉄砲玉であり、助っ人なのだろう。
但し、鉄砲玉が見事に当たるという保証はどこにもない。
鉄砲玉の末路というのは渡世人の世界ではほとんどが哀れである。
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