今村昌平監督の代表作に「豚と軍艦」というのがあります。
上映した年のベストワンになった映画です。ヤクザ者が養豚業を営んでいるのです。
丹羽哲郎や加藤武、小沢昭一が兄貴分で、チンピラ役が若い長門裕之でした。
吉村実子がその彼女役、映画初主演だったはずです。
初々しさが映画を際立たせました。
強いヤクザに憧れたチンピラが養豚をすることに対して反抗するのです。
最後は“トン”でもない事になります。
暴対法によりシノギが苦しくなったヤクザ者が養豚業を始めているというから、今村昌平はさすがに凄い監督です。何十年も前に今日を読んでいたのだから。
ジョージ・オーウェルの小説に「動物農場」というのがあります。
人間に支配されていた動物たちが反乱をし逆に人間たちを支配する話です。
そのリーダーが豚のナポレオンでした。
ある人はいいます。
動物園に行って動物を見て笑っている人間たちを逆に動物たちが見てきっと笑っているはずだと。動物農場では支配者となった豚のナポレオンがやがて“トン”でもない事になってしまいます。作者は権力と支配と独裁者の姿を豚に変えて反抗したのです。
私でも読めた寓話です。
値上げ値上げのラッシュの中で豚肉が高騰中というニュースを見ました。
その時顔に浮かんだのが「豚と軍艦」と「動物農場」の豚のナポレオンです。
それと“とんかつ”、“トンカツ”、“豚カツレツ”です。
ある年ビーフカツというのにハマったのですが、“トンカツ”の相手ではありませんでした。ビーフカツサンドもやはりトンカツサンドには全く歯が立ちませんでした。
沖縄でフォールムスという画期的ホテルをつくった友人のところで食べた“アグー豚”のしゃぶしゃぶは“トン”でもないほど美味しかったです。
生まれてこの方“トン”でもないほど美味しい牛肉は食べた事はありません。
豚肉の値上げ大反対!
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